命を守るベーシック5

みなさんの中には実際にしつけ教室に通っている方もいらっしゃいますよね。
そこで、スワレやマテを教わります。
方法は様々です。  でも、目指すものは一緒。
教室では良く出来るのに、日常に生かせないという話をよく聞きます。
なぜでしょうね。
イヌたちがリーダーとして認めたくない行動のひとつに、「一定した態度」がないというのがあります。
毎日甘やかし、躾や訓練の時だけ厳しいとか、家族の特定の人だけが厳しいとか家の主人がイヌには甘く、他の家族には厳しいとか。
躾や訓練の時だけ人も緊張し、イヌに必死に厳しくしても日常との差が激しければイヌは日常ではやらなくてもいいんだと判断します。
これが日常に生かせないわけです。
「スワレ」や「マテ」、「フセ」などは、ただ意味もなく出来ても、日常で使わなくては習った意味がありません。
学生の頃から何年も英語を習い、一生懸命テストで100点をとっても、日常会話が出来ない、こんなこととよく似ています。
せっかく習ったもの、或いは本で学んだもの、それを日常に置き換えて、使う事が大事なんです。
私はいつも自分の生徒さん達に「人が変ればイヌも変る」と話しています。
イヌにだけアレしてコレしてなどと望んでばかりではイヌだってため息もつくし、反発もしたくなる。
まずリーダー自らがルールを守り、愛犬にルールを教えてあげてください。
その頼もしい態度に安心と安全を感じて、イヌたちはあなたが大好きになり寄り添うようになります。
しつけは飼い主の考え方をイヌに伝える作業ですからその家庭により基準が異なる事は言うまでもありませんが、その中でも「スワレ」「マテ」「フセ」「コイ」「ツケ」この五つをマスターすると生活はぐんと楽になります。


マテ スワレ フセ コイ ツケ





「マテ」

マテは日常でもっとも使うルールの1つです。
しっかりと、確実に教えましょう。
ご飯の時だけちゃんとやる・・・というのはちゃんとやっていないという事を忘れないでください。
ちゃんとやるイヌは何処でも、いつでもできるものですから。
短いマテ 長いマテ、座ってマテ 伏せてマテ、あるいは立ってマテ
動きを止めるためのマテ、その場にとどまる事のマテ。
実に様々なマテが存在します。
ですから、マテというのはご飯のときだけではダメなのです。
飛び出しを止めさせる、用事が済むまでじっとしていてもらう、病院での診療やトリミングにも便利です。
マテのコマンドの間中イヌは緊張し、あなたに注目します。また、離れてもその場にとどまるのは必ず戻ってくると信頼しているからです。
マテがしっかり出来れば何処でも連れていけます。
すぐに動いてしまうイヌはあなたを信頼していないため不安に駈られ、見失わないようついて回ります。
また、従う気持ちも薄いといえます。
マテの後には解放が伴うわけですから、動きたい衝動を抑えるだけの服従心がなければなりません。
長いマテを教えるとき、遠くに離れますが、そのまま呼び寄せる事などせず、必ずイヌの元までもどり、誉めましょう。
あなたは必ずもどってくるとイヌの心に刻み込んでください。
最初は繋いでもかまいません。
緊張というのはけっして悪い事ではありません。
スポーツの世界にもいい緊張感がなければだめですよね。それと同じ事です。
けっしてかわいそうなことではありません。



「スワレ」

スワレは必要か。
ご飯の時にスワレって命令をかけますが、イヌは座ったままご飯を食べません。
よしって言えば、立ち上がり首を落としてご飯を食べます。
その他のスワレはみなさんあまり必要性を感じていないのでしょうか?
使ってないようですね。「いっぺんでは座らない」というのをよく耳にします。
でもスワレはコントロールの道具としてつかって見て下さい。
スワレというのはイヌが何かに集中しようとするときに比較的多くとるポーズです。
ですから、一度の命令で座るというのはあなたに集中していますということになるんです。
何回言っても座らないのはあなたに集中したくありませんといっているのです。
躾教室でスワレを一回でやりなさいと教えられるのは、あなたに集中するイヌに
仕上げなさいと言っているのです。
集中は期待感に変って行きます。「次になにするの?」という具合に。
3回言ってやっと座るイヌはそのうち5回言わなければ座らなくなり、
やがて気の向いたとき以外座らなくなります。
1回で座らなかったら、少し厳しい姿勢が必要です。
厳しい姿勢と言うのも誤解されがちですけど、けっして体罰する事でもなく、かわいそうなことでもありません。
頼もしいリーダーには必要な態度だという事です。
それは人の真剣な気持ちと言う奴です。あなたが本気で座らせようと気持ちを集中させるとイヌに伝わります。
ところが、人は色々な感情に振り回されやすい生きものですから、その瞬間、色々な思いに縛られます。
「座らなかったらどうしよう」とか「なんでいつもやるのにやってくれないの」の「くれないの?」とか、
「人が見てる、失敗したら恥ずかしいぞ」とか、愛犬に集中していないんですね。
そんな不安定にリーダーには従いたくありません。

またイヌの動きを制御する言葉としても使えますし、攻撃性を押さえる事ができます。
イヌは座ったままにらみ合いやケンカをしません。
スワレをしっかり教えていれば他のイヌとの気まずい瞬間も「スワレ」の指示で白けされる事が出来るのです。
イヌにとっては「いけない」という否定的な命令より「スワレ」という肯定的な命令の方が従いやすいのです。
マテと組み合わせ「座ってマテ」になると少し長く待たせる事が出来ます。


「フセ」

フセははっきり言って便利です。

最近流行りのイヌ連れOKのカフェでのひと時。足元で静かに伏せていてくれたら、こんなにすてきな事ないですよね。
雑誌で見かける外国の風景です。
フセはよく服従心の表れだといわれます。確かにそうかも知れませんが、それだけの為にフセをさせるのではなく、
やはり日常にはとても便利だからというように考えていただけると、フセも大切なルールのひとつになるのではないでしょうか。
フセというのはイヌの興奮を鎮めるのにとても効果があります。
公の場所で興奮したら、しばらく伏せさせるとイヌは落ち着いてきますよ。試して見て下さい。
病院の待合室などで足元に伏していてくれると邪魔にならないし、診察前にいらぬ興奮させずにすみます。
それからメスのばあい、シーズン中、ヒート中とも言いますが、野放しのイヌが寄って来た時、伏せさせる事で一時的ですが自分の愛犬を庇う事が出来ます。
愛犬を伏せさせたら、野放しのイヌの対処に集中できると言うものです。
お家でお帰りなさい或いはいらっしゃいのセレモニーがとっても派手なイヌたちがいます。
そんなイヌたちは自分が本日の主役になり、歓迎し、もてなし、楽しませようと色々な事をします。
でも、人からみたら「うるさぁ〜い」としか感じません。
誰かが玄関から来るとき、扉を開ける前に何気なく一緒に連れて行きフセをさせて扉を開けます。
最初はリード付きで練習するといいでしょう。
入ってきた人は「ただいま」や「こんにちは」を言わず、迎えてくれた人間にだけ挨拶します。
そして、ルールを解除することなく、人だけが家の中へと移動します。
イヌは最初ピスピスなくかもしれません。それさえも無視して、十分ぐらいほおっておきましょう。
長いフセはイヌをしらけさせ、セレモニーをする機会をあたえません。
眠くなっちゃうくらいでちょうどいいと思いますよ。
それから静かに呼び寄せてください。走ってくるようならまた元にもどしてほったらかす。
トコトコとしずかにやってきたら最初は自分の所に来るようにし、それから帰ってきた人、お客様に挨拶します。その後は無視して自分達の会話を楽しんでください。
静かにしているようならそばにいてもいいでしょう。
そういう人の生活にあわせるよう導くのがリーダーのお仕事です。
「かわいい、かわいい」とするならなにもリーダーじゃなくてもいいわけです。
暮らして行くにはルールがなくてはいけないということ、人の世界だけじゃなく一緒に暮らす家族の一員の犬達にも守ってもらいましょう。



「コイ」

さてさて「コイ」です。
これは特別なコツなどなしで教えられるルールです。 とにかく自分の元にきたらよく誉めること。
家の中でもどこでも練習する事。 そのときに愛情いっぱいの笑顔でコマンドを出すこと。
絶対に怒る為に呼ばないこと。 これを小さな頃から守っていればとんで帰ってくる子になります。
呼んで戻ってこないのはなぜか? 呼んで叱った事はないですか? こわ〜い声で「コイ」とか「おいで」とか言っていませんか?
戻ってきてすぐにリードに繋いでないですか?
自由にさせておいて最後にリードに繋ぐためにイヌを呼べば、頭のいいイヌたちは「戻ったらつながれて お家に帰るんだ」と考え、「まだあそびたいも〜ん」と聞こえないフリをするんです。
このままでは人より賢いイヌの出来上がりですね。
ならば、もっと人は頭を使いましょうよ。 遊んでいるときにもちょくちょく呼びましょう。
そして、誉めて、話し掛けて、また「よ〜し、いいよ」と解放します。 もちろんリードに繋ぐときも淡々と繋ぐのではなく、「おりこうさんだね、いいこ」などと声を変えてから繋いでくださいね。


「ツケ」

5つ目「つけ」 ツケというルールははほとんど外で使うものです。
人の速度にあわせて歩いてくれれば、散歩はとても楽しいものになりますね。
交通量の多い大通りでゆっくり歩いてくれれば、安全でもあります。 なぜ引っ張るんでしょうね。
一番多い理由が「排泄の為」だと思います。 私は本当は外で排泄をさせる事はいい事だと思っていません。
残念ながら自分の土地ではなく、公共の場所だからです。
だってみんなうんちは拾うけどおしっこはそのままにしてるでしょ?
家で排泄をすませてから散歩に行く習慣をつければ、割とすぐ「つけ」を覚えてくれます。
みなさんも本を読んで知っていると思いますが、イヌの排泄には人間と違って沢山の意味があります。
ですから散歩をトイレタイムとしてしまうとその仕事に夢中になり、リードをもっているあなたを忘れてしまうのです。
あなたはその時既にイヌの下僕となり、王様のすることを「どうぞ、どうぞ」と見守っているんですよ。
みなさんは、勝手な方向に行くイヌに付いて行ってはいませんか? 立ち止まるたびに一緒になって立ち止まってないですか?
コレをやめることから「つけ」の練習がはじまるんです。
そこまでガチガチに散歩するのはなぁと思うのなら、せめて場所を3ヵ所ほど決めませんか?
それ以外はクンクンに付き合わずに自分の運動に付き合ってもらいましょう。
もちろん強引に「いくよ〜」って連れて行っちゃってください。 さぁ、ここでも凛としたリーダーを見せてくださいね。
公園についたら今度はイヌたちの時間、一緒に遊んであげてください。
ただし、ノーリードにしない事。
イヌの嫌いな人、小さな子供、犬のきらいな犬、のらねこくん。 事故がおこってからでは遅いです。
日本の法律はノーリードは禁止されているんですよ。
それにね、公園についたらノーリードなんてやっていると公園についたとたんに 「離せ! 自由にしろ」って暴れたり、リードに噛み付いたり、あなたに飛びかかったりするうになります。
走らせたかったら、ロングリードなどを利用して、いざとなったら引き寄せる事が出来るようにしてはどうでしょう。




HOME
















SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送